ESDを中心とした医療連携

ESDを中心とした胃がんの治療および医療連携の流れ

 

① 早期胃がんを発見してもらい、紹介してもらう

開業医・一般病院との連携

② 当院外来でESDの適応を診断

手術適応患者様に対する地域支援病院・大学病院・一般病院との連携

③ー1 当院入院の上ESDを施行

急性期偶発症に対する地域支援病院・大学病院との連携
正確な病理診断のため病理医との連携

追加手術適応患者様に対する地域支援病院・大学病院・一般病院との連携

③-2 地域支援病院の開放型病床入院の上ESDを施行

基礎疾患を有する困難症例に対する地域支援病院との連携

④ 退院後管理(ESD後潰瘍が改善するまでに起こり得る偶発症対策)

開業医・地域支援病院・一般病院との連携

⑤ 異時多発・異残再発・転移を考慮したfollow up

開業医・一般病院との連携

 

ESDを中心とした医療連携

 上部内視鏡検査を必要としている患者様、希望している患者様、胃がんが疑われる患者様をご紹介して頂くのは、主に開業医の先生方です。朝食を召し上がらずに午前中に来院して頂ければ、当日の検査が可能です。検査の結果は内視鏡写真を添えて診療情報提供書(お返事)と共にご報告致します。

 ESDを行った患者様は、ご紹介元の医療機関様と共同でfollow upをさせて頂き、ご紹介元の医療機関様にはこれまで通り患者様のかかりつけ医としてご診療頂き、これまで内視鏡検査を実施されていたならば継続して行って頂きます。

 当院では、退院時のESD1週間後、ESD後潰瘍の結果を診るために1ヵ月後、同時多発がんの発見のために3ヵ月後および6ヵ月後に内視鏡検査を行います。その後は半年毎にかかりつけの医療機関様と当院とで交互に異時多発のリスクを考えて内視鏡検査、また万が一の転移リスクを考えて腹部エコー検査を行うことでfollow up致します。

 上記により、ご紹介元の医療機関様はこれまで通りのペースで内視鏡検査を実施可能であり、当院には1年毎に来院頂けるため、長期的に患者様の状態を把握することが可能です。

 患者様には異時多発の危険性、万が一の転移のリスクをご説明し、半年毎のfollow up検査にご納得頂けるよう医師が丁寧にご説明致します。

 内視鏡による適応診断の結果や、術後の病理結果において追加の外科手術が必要となる場合がありますが、当院には大学病院および地域支援病院の外科医師が非常勤で勤務しており、外科手術が必要な場合は医師間で検討させて頂いた上で患者様にご説明し、ご納得頂いた上でしかるべき医療機関へご紹介致します。

 退院後に吐血・下血等の症状が見られた患者様に対しての救急医療における診療体制も構築しておりますが、患者様が遠方で当院までお越しになることが難しい場合には、当院医師が地域支援病院までお伺いし、止血等の処置をすることで対応させて頂くこともあります。

 ESD治療最大のメリットは、正確な病理診断が可能なことにありますが、当院は病理医師と緊密な連携体制を組み、また当院に非常勤で勤務して頂いております。これにより医師間で慎重な議論を重ねた上、的確な治療方針を決定することが可能となっています。

 

病理カンファレンス室